2012年2月16日木曜日

7年前の各党党首宛書簡


日本ビジネスインテリジェンス協会・ 事務局長・横井幸夫
村田 光平 大使より中川 十郎 会長 に届いたメールから。
中川先生 
このような7年前の意見を無視した「原子力独裁」はなお健在を感じます。
先週発刊された「原発の深い闇」(宝島社)は実名、データ入りで衝撃的な内容です。ご参考まで。
村田

BISメール情報;  7年前の各党党首宛書簡                                                                平成17年2月24日
(本状発出先)
自民党 小泉純一郎 総裁
民主党 岡田克也 代表
公明党 神崎武法 代表
共産党 志位和夫 委員長
社民党 福島瑞穂 党首
                                                                                          村田光平
                             (東海学園大学教授・元駐スイス大使)
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。                       昨年夏以降三回に亘り、各党党首宛に書簡を送らせて頂きましたが、その後の事態の進展は、放射能災
伴う大事故発生の可能性をより憂慮させるものになってきています。「浜岡原発の運転停止」「中央防災会議による原発無視の是正」等、国としての政治的決断を伴う対応が、早急に必要とされる状況になっております。
 このたびのスマトラ沖地震・津波による大惨事は、日本が津波大国であることを改めて想起させるものでした。防災システム研究所の資料によれば、日本最大の津波の高さは85mで、1771年石垣島で記録された明和大津波です。1792年の雲仙・普賢岳の噴火に伴う津波は55m1896年の明治三陸地震津波は38.2mでした。世界に目を転じれば、1958年にはアラスカのリツヤ湾で、日本近海もその上にある太平洋プレート上で発生した世界史上最大の500mの津波が、岸壁の崩壊を伴って発生したといわれております。
 全ての原発はウランを燃料とする特殊性から冷却水を必要とするため、沿岸に立地していることを思えば、決して万全とはいえない津波対策の現状は新たに深刻な問題を提起するものです。現実に、このたびのインド洋大津波では、インド南部のカルパッカム原子力発電所で死傷者を含む深刻な被害が出ております(1月9日付「毎日新聞」朝刊)。しかしながら、先日、神戸で開催された「国連防災世界会議」では、インドの例を踏まえ津波が原発に被害を及ぼす可能性を取り上げるよう、事前に関係者に幅広く働きかけが行われていたにもかかわらず「原発無視」に終わりました。
 日本においては、従前から予測されている東海大地震が、中部電力の想定しているマグニチュード8を上回り、マグニチュード9に達する可能性も皆無ではないことを、原子力関係の権威ある専門家が指摘しております。私がこれまで度重ねて指摘している中央防災会議による「原発無視」は、原発の「安全神話」が崩壊している現在、早急に改められるべきものと思われます。
 この東海大地震が予測されている地域のど真ん中に存在する浜岡原発5基については、その運転停止を求める全国署名が進められておりますが、すでに45万人以上の署名が集められております。中部電力は1月28日、浜岡原発の耐震補強工事を実施することを発表しましたが、これは全国署名の働きかけ(浜岡原発は危険である)が正しかったということを中部電力が認めたものといえましょう。大地震はいつでも発生しうる以上、世界を壊す「原発震災」を防ぐために、国の責任において浜岡原発は即刻停止させなくてはならないはずです。
今回のスマトラ沖地震・津波災害は、想定外のものといわれております。東海大地震はかねてよりその危険性が叫ばれ続けているのです。天災が無くとも事故を起こしているのが原発の現状です。天災を機として原発に起こりうる「人災」は、絶対に起こしてはならないものですし、また起こさないことが人為的に可能なのです。
 茂木清夫元地震予知連会長は、昨年9月、その専門的立場から、浜岡原発の危険性に重大な警鐘を鳴らす論文を英文にて専門誌に発表し、多大な注目を集めております。これは、昨年9月6日付の各党党首宛書簡等で、その危険性を指摘させて頂いた青森県六ヶ所村の再処理工場が、ウラン試験開始後もやはり重大な設計及び施工ミスを立て続けに犯し、地元で大問題になっていることと併せて国際的に注目され始めております。今後、国際場裡でも論議の対象になっていくものと思われます。
 地震大国であり津波大国でもある日本が、世界第三位の原発大国であることが、今ほど異常に映ずる時はありません。特に当面の最大の課題である浜岡原発対策如何は、政治に対する国民の信頼を左右するものになると信じます。
 世論は確実に目覚めつつあります。何卒各党におかれましては、早急に国民の安全を確保するために一層ご尽力くださいますよう、心からお願い申し上げます。
                                             敬具
追伸  今年3月末、カリフォルニアのサンタ・クララ大学で「OBサミット」(創設者・福田赳夫)のハイレベル専門家会合が開催されますが、私もこれに出席の予定です。同会合用に準備した資料をご参考までに同封させて頂きます。 
 

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